経営者は顧客満足の為になにをすべきか

顧客に「よいものを安く」提供するには

エクステリア品質コスト研究所  中島 俊峰
ISO9000コンサルタント

 今回から「ISOを武器にする」の連載を開始します。著者は昭和26年生まれ、建築設計事務所で十年間設計業務を経たあと、大手ハウスメーカー系エクステリア企業でCSに携わりISOを学ぶに至って、その顧客第一主義の理念に魅せられ、エクステリア業界の厳しい現状を何とかしたいと考えています。今後「顧客はプレゼンテーションに何を求めているか」「価格に何を求めているか」「品質に何を求めているか」そして「経営者はCSのために何をすべきか」と続きます。

目先の販促だけが経営者の仕事か

 バブル崩壊後の不況で、各企業とも生き残りを賭け、リストラクチャリング(事業の再構築)を進めています。エクステリア業界も例外ではありません。ハウスメーカー、リフォーム業者などが参入し、まさに戦国の様相を呈しています。
 しかし、この現実を乗り切るために、折込チラシ、DM、ポスティング、金物の特売等の目先の集客や営業ノルマを設定し、社員を奮い立たせることだけが、経営者(トップマネジメント)の役割でしょうか?。
 エクステリアの仕事は、物売りでありません。デザイン(感性)と品質を売る仕事なのです。見積り価格が他社より安ければ契約できる、というものでもありません。お客様は、よいもの(納得のいくプレゼンときっちりした施工)が安くできる業者と契約されるはずです。引渡し後のアンケートには「もっとプランの打ち合わせをしておくべきだった」とか「現場管理ができていない」等の、不満がよく書かれています。
 日本でもアウトソーシング(外部委託)が注目されはじめました。しかし、設計、施工を丸投げして、お客様からプランの相談や現場の問い合わせがあった場合「外注しているから解らない」では、お客様はその会社にもう仕事を依頼しないでしょう。アウトソーシングすることが、悪いと言っているのではありません。CAD図面の外部委託は大いに結構ですし、工事も当然、下請けにだされるでしょう。問題は、設計・施工を丸投げすることなのです。
 生き残れる企業は、本物の提案ができるプランナーと業者(職方)指導ができるしっかりした現場管理者を揃えているところなのです。つまり経営者はプロのプランナーと業者(職方)指導ができる現場管理者を育てることが重要です。これは基本です。

ISOの本質は顧客第一主義

 ISOは国際標準化機構の略称です。聞いたことはあるけれど、ウチには関係ない、と思っていませんか。私はこの「ISOの理念」がこれからの経営に欠かせない役割を果たしていくと実感しています。それは何故か。ISOの厳しい評価基準は顧客側に立って作られているからです。顧客の視点に立ち自社を見つめ直す、これがポイントです。
 ISOは品質保証や環境保全のシステムを認証しているものであり、製品や安全そのものを保証するものでありません。ですからISOの認証を取得したからといって、ただちに品質がよくなったり、環境に優しくなったりするというものではありません。その体制ができたという宣言にすぎないのです。それでも、企業がこれからその体制を維持し、品質なり環境に貢献する努力を始めたという姿勢をお客様に伝えることができるのです。

経営者の意識改革が会社を変える

 品質マネジメントの原則は顧客重視と経営者のリーダーシップです。
 顧客重視とは顧客のニーズ、期待を経営者が理解し、会社の目標にそれを盛り込み、顧客の意見を積極的に聞き、顧客満足を監視して改善していくことです。  経営者は会社の将来に対するビジョンを創造し、会社風土を作り、会社への信頼感を創造すること。そして社員には働きやすい環境を創造し責任を伴う自由を与えているか、です。こうしたことが自社の「品質」に繋がっていくのです。  ではISOを認証取得したら何が変わると思いますか?まず、経営者以下社員の意識が変わります。そしてクレームが減り、生産性が上がり、結果としてあなたの会社に依頼が増え、利益があがることになります。しかし仕事の増加や拡大を性急に期待してはいけません。誇りを持って培っていくものなのです。

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