マドリッド企業訪問

23:インタートルド社


1階470u、効率的な倉庫内部

幅継ぎ作業

ロータリー式で自由にキャンバスを選択

前タレ縫製作業
成田を発って、7日目の2月8日、マドリッド近郊にある、オーニングのアセンブリー企業「インタートルド社」を訪れた(トルドはオーニングという意味)。同社は、オーニング器材、キャンバスをメーカーから購入、部材をそのまま、あるいは、完成品にして、施工業者に卸している。工場は、1階が470平米、2階が180平米の2階建てで、入口に60平米のショールーム、キャンバスの在庫置き場と切断機があり、右手にオーニング器材とパイプの切断機及び組立てのスペースがある。2階はキャンバスの縫製スペースだ。キャンバスの切断については、ロータリー式で必要なキャンバスを簡単にカットできるように工夫している。キャンバスの仕入れ先は4社、販売先はマドリッド周辺約300社。キャンバスのほとんどがアクリルでストライプデザインが多い。年間の販売セットは、六〜七千台。受注は好調で、キャンバスの張り替えは、平均7年位とのことだ。さすがオーニング先進ともいえるスペインだけに、施工と加工が分化されていることに驚かされた。日本のテント流通はこのことをどう感じるだろうか。

完:「なにを見たか」より「なにが見えるか」


シャルル・ド・ゴール空港での筆者
 この「オーニングツアー随行記」は昨年の2月2日から9日までの8日間にわたる私(金井)の見たまま感じたままを写真に収めて掲載してきたものだ。考えて見れば既に1年の歳月がたってしまった。早いものである。しかしながら、この短期間の間に見て学んだことははかりしれない。やはり百聞は一見にしかずというが、それ以上であろう。残念ながらシャッターチャンスを逃してこの欄に掲載できなかったものや、多くの写真から数枚を選ばざるを得ずお見せできなかったものが何百枚も残っている。私が、旅行でいつも関心があるのは実は「人々の生活」である。その地の人の暮らしぶり、働きぶりである。ドイツでは、公園で遊ぶ子供らを、スペインでは、広場に憩う家族にシャッターを切った。地中海の村ミハスでは、自分の家の白壁をペンキで補修する主婦の姿が印象的であった。
 内容についてはオーニングツアーに同行したという点からその中心は、もっぱら日射遮蔽材をメインとしたが、時には公園のモニュメントを、時にはゴルフ場の紹介なども行い、また、珍しい舗装材の上にたむろする猫たちにもカメラを向けたりと、とにかく自由な角度でその他のエクステリアを紹介してきた。外にいては、下(舗装材)からう上(マンション上のオーニング等)まで見回し、首がいたくなるような日々を送った。そして、それらのほんの一部ではあるが、明日の仕事に少しでもお役に立ちたいという気持で紹介を続けてきた。最後にマドリッドでインターロッキングの工事で働く職人さんの写真を掲載した。上方にはオーニングが垣間見える。長期にわたってお読みいただいた読者諸氏に御礼を申し上げます。

オーニングと舗装材、それは天と地。床と屋根、首が痛くなる。