スペイン バルセロナ

13:五輪スタジアムで熱い闘いに想いを

 シュツットガルトでの2日間は、参加者の大半が満足したのでないだろうか。先進ヨーロッパのオーニング関連商品を眼の当たりに観た感激にひたる方も多かったように思う。ここでのチョット面白い商品や心に残った風景は、土産として最後の方にまわしたいと思う。成田を発って4日目の朝は、バルセロナで迎えることとなった。ここで、一休みというところだが、今回の大きな目的の一つにスペインにおけるオーニング、エクステリア視察がある。バルセロナの1日はあっと言う間であったが、それでも、カメラは十分働いてくれた。スペインの主要都市バルセロナは、8年前の1992年、オリンピックの開催された都市で記憶に新しい。そのオリンピックスタジアム(磯崎新設計)のあるモンジュイックの丘に登って美しい景観をながめた。


スタジアム前の街路灯

カレーラス・ドミンゴが歌い、オヨスが舞ったスタジアム


船の舵がモチーフの聖火台

 

14:美しいリサイクル舗装

 オリンピック会場からさらに坂を登り、モンジュイックの丘から四方をながめると北に市街地、南に港が望める。丘の上には、スペイン村、ミロ美術館などがあり、観光名所になっている。その丘の展望台周辺は、市民の為の公園となっており、散歩する人、ジョギングする人、ベンチで憩う人がゆったりとした時を過ごしている。その公園の中にある舗装に目を向けるとこれが実にユニークだ。使いふるした機械のギア(歯車)、天然石、天然砂利、レンガ、ビンの底などを巧みにデザイン化、直線と曲線の織りなすデザインに目を奪われた。スペインには、先のミロやダリ、ガウディなど、西洋美術とイスラム美術のぶつかり合いが感じられるが、この公園一つをとってみても、イスラムの幾何学的文様が自然に入り込んでいるのを感じる。また、その国民性は、どこまでも明るく人なつっこい。日だまりの中で親しげにこちらに目を向ける猫を見て思わずシャッターを押した。「自由と統制」がバランス良く生きている。






 

15:バルセロナにて...

 スペインのオブジェにははっとさせられる何かがある。しかも美しい。そこにはいつも情熱の結晶ともいえる輝きがある。しつこいかもしれないが、猫とワインボトルの底にピントを合わせた一枚を再掲載した。光をシャットしながらもう一つの空間をもたらす集合住宅用のオーニング。女性の下半身がちっともいやらしくなく立つ姿。まわりの景観に見事に溶け込んでいる。


女性の下半身のオブジェ、ちょっとびっくり

シースルー、バス停はシンプルで美しい

集合住宅のオーニング

再び猫、ワインボトルの底が見える

 

16:ガウディの建築物を見る


サグラダ・ファミリア(聖家族)教会正面
 バルセロナに行けば必ずつれていかれるところが、サグラダ・ファミリア聖堂である。日本語では聖家族教会となる。そして次なる観光地はグエル公園だ。これらは言うに及ばないが、スペインを代表する建築家アントニオ・ガウディの設計したもの。実は、ガウディの傑作といわれるグエル別邸の「龍の門」は今回見る時間がなかった。少々残念であった。ガウディの作品の評価はというと、すごい。変わっている。気持ちが悪い。哲学的だ等色々。一般人には少しぎょっとさせるタッチのものではある。特に独特の曲線と、人体の様々な部分をモチーフにしたと思われる作品群にふれると、グロ的要素をここまで拡大させてしまわれてあ然とせざるを得ない。聖堂の表と裏、そして中の写真と、グエル公園の助骨状柱群の写真を掲載した。ここは、スペイン−−グレコ、ダリ、ミロのいる国だ。聖堂完成の百年後二百年後に、今いる人がいなくなるなんて深刻に考える必要はないのだ。スペインの日射しは我々には少しまぶしすぎる。

中央(内部)

裏側

グエル公園

 

17:日除けなしではいられない

 グエル公園に向かう坂の途中でうしろをふり返ると、そこにはまさしくオーニングの花が咲き乱れていた。いずれもグリーンの生地で統一されていたが、それでも面白い日除けをシャッターに収めることができた。フェンス越しの正面のマンションには、ことごとくオーニングが設置されている。その下の写真は、他の2枚と同じ現場で撮ったものだ。下段のベランダは、なんとカーテンで回りを仕切られている。そして上はと見るとガラスパネルがはめられサンルーム的仕様となっている。きっと風除けといった意味合いが濃いのだろうと思う。遠く左手のマンションには、やはりオーニング(帆布使用)の現場とガラス(あるいはプラスチック板)サンルームの現場の二通りのものが採用されており、住む人のニーズが違っての採用だと思われる。ただ、そのままというベランダはほとんど見受けられない。スペインではベランダスペースの活用というものは、マンション住まいの誰もがあたりまえのように考えていると思われる。

カーテンの向こうに椅子とテーブル

ゴミ箱は色で区別(黄・緑・青)


上:向こうの建物にオーニングの花が
下:あなたはカーテン派、それともガラス派