パリの街を歩く
シンプルなグリーンのメッシュフェンス 病院入り口のレンガアーチ

 北フランスの港街、オンフルールでの昼食は港を前にしてのイタリアレストランであった。旅の半ばにして得難い時を過ごすことができた。今もあの裏側にある古い街並みと、港の明るさの対比が忘れられない。
 さて、3日目は、オンフルールを後にして、夕刻パリへ入った。パリの宿泊先は、中心地から北西にある、ウィクトル・ユーゴー通りの、コートヤード・マリオット・ホテル。中庭に、枯山水の庭を持つシャレたホテルである。
 パリの街並みは、多くの日本人が見るチャンスが多い為、さほどのインパクトはないと思われるが、特徴的な外構やパブリックエクステリアを中心にシャッターをきった。ドーウィル等の個人住宅回りとは違い、アパートの乱立するパリ市街では外回りは実にシンプル。スチールの線材メッシュが目についた。
ガードする機能とオープンなデザイン        施工現場のガードに使用の高尺メッシュ
パリの街を歩くA
パリの市街地であまり日本では見られないものという観念でカメラを向けてみた。
 緑のストリート(ミニ公園風)の中にあった。固定自転車ラックである。同種の駐輪ラックは、ドーウィルの「ノルマンジーホテル」の玄関脇にもあったことを思い出した。簡単なものだが、自転車が日本とは違い一つの「輪権」?を持っているのだと思わされた。
 集合住宅の外構である。何処からでも自由に出入りできる日本の集合住宅と違って、キッチリと入口はセキュリティが確保されている。その住人にしかゲートは開閉できないシステムになっており、パリの集合住宅のほとんどがこのようなスタイルとなっている。聞いてみると結構、あき巣が多いそうである。バカンスを多くとるフランスならではの環境ともいえる。日本もいずれそうした状況が必要となるかも知れない。
 なんの変哲もない水の流れだが、日本のように道路脇に溝を掘るというスタイルではない。傾斜を作って、わざわざ朝、水を流しているのだ。それも毎日の作業である。それほどゴミが散乱している訳ではない。なぜでしょうか。答えはペット(主に犬)のふんの処理です。パリっ子の犬好きには驚かされる。大きな犬を平気で地下鉄に同乗させている人を良く見かけた。動物と人間が共存しているのだ。道路のあちこちにそのふんがころがっている。道徳心云々と声を出すより、処理システムが出来あがっているのがすごい。ちゃんと大きな下水に流れるようになっているのだ。
 泊ったホテルの中庭(地下)に和風の枯山水?が作られており、その上には、緑のヤードが設けられている。壁の白が何とも表現しづらいのだが。
パリの街を歩くB
 パリの街は、その中心が凱旋門であることはよく知られている。街じゅうが美術的雰囲気をただよわせているため、逆に新しいものを探そうというような気になる。高さ制限そして、スロープ。何度来ても美しい変わることのない街のたたずまい。したがって目新しい物を見つけること、それは、ポンピドーセンターやルーブル美術館の入口のガラスピラミッド、副都心デファンスと新しい凱旋門等大きな話題をさらってしまうもの、そして、それはいつでも新興と保守の闘いの中で進められてきている。新しいものと古いものがマッチングすることは難しい。しかし、新しい物もいつかは古き良き物として溶け込んでしまうから不思議だ。かつてエッフェル塔がそうであったように。

左:ルイ14世像 
右:マリオットホテル正面のモニュメント

 パリの街にはまた、モニュメント類が多い。色は、青銅色のものが多いような気がする。緑を意識したモニュメントとして街の中に溶け込んでしまっている。逆に日本のモニュメントはどうもブロンズ色のものが多いような気がするが果してどうであろうか。厳密に調べた訳ではないので何ともいえない。道路の幅は平均的に日本よりも広そうだが、車の数は多い。
 自由時間に、ルーブルとモロー展(グランパレ)を見学した。ルーブルの古代美術は圧巻だ。しかし、それとてもともとはパリにあったものではない。「美への欲求」は奪わずにはいられないということなのか。             スタチュー?実は人間