歴史のある港町 オンフルール
 映画「男と女」の舞台となったリゾート地゛ドーウィル。そのドーウィルから西に車で2時間程度、セーヌ川の河口にオンフルール(Honfleur)という古い港町がある。
 古い木造の家並が続くヨットハーバー、まさに印象派の画家達の格好の活躍の場にふさわしい美しい漁港だ。
サント・カトリーヌ教会
 港から坂を上ってすぐの所に、木造のサント・カトリーヌ教会がある。そして、そのむかい側にこれも木造の鐘楼がすっくと立ち上っている。馬のひずめの音が聞こえそうな石畳。この教会は百年戦争の終わりごろ船大工に建てられたというから550年程の歴史を経ている。日本でいえば、室町時代の前半頃であろうか。そして、そのさらに裏手には、中世そのままの路地を持つ街並みが今も生きづいている。
木造の鐘楼
 また、6月14日には、ステンドグラスの美しいノートルダム・ド・グラス教会への船員巡礼が行われにぎわう。港と街が一体となったたたずまいは、日本の港町にはない静かで落ち着いた風情を感じさせてくれる。

歴史のある港町 オンフルールA
  カラフルなオーニング           画廊のファサード
 オンフルールはまた、作曲家エリック・サティ生まれた所としても知られている。港から坂をあがった裏手の路地に「サティの家」として表示されている。1998年6月に公開されている。サティは、その曲想が少し変わっていることやピアノなどの小曲が多いせいか日本ではさほど知られていないが、映画・テレビドラマなどのバックミュージックに結構使われている。グノシェンヌの一番、ジムノペディの一番等が有名だ。
 さて、この旅の大きなテーマの一つでもあるオーニングだが、ここでは、まぶしい太陽の光をあびて浮びあがる古い建物にうまく生かされている。ブルー、イエロー等の生地の色が決して派手には感じないのだ。まるで上へ上へつぎ足したような建物の中で、フロント部分の色に赤、青を用いているのが面白い。

継ぎ足したような古い建物、
ベランダには花、朝の光で独特の雰囲気のある街...